【九州北部豪雨災害2017】活動ストーリー 2
【災害と地域住民】
「朝倉市杷木 高木区長夫妻」
現在、支援に入っている福岡県朝倉市杷木(旧杷木町)は、今回の九州北部豪雨災害で、最も多くの住宅被害を出し、死者も出した町です。人口2952人、高齢化率33.6%という同町の一地区に日々通い、地域住民の皆さんと泥かき作業を行っています。毎朝、8:30に杷木に着いて先ずは高木区長さんのお宅に向かいます。区長さんは、地域住民の皆さんから要望を受け、その日の作業現場と内容を指示してくれます。
杷木の中学校で体育教師をされていた高木区長さんは地元出身の方ではなく当時小学校教員されていた奥様と結婚後、奥様の実家がある現在の地で暮らし始めました。県や市町村によっても異なりますが、この地域の区長は有給のポジションではなく、2年任期制のボランティアということで、ほとんど輪番制で就任するそうです。これほどの大災害が起きると、地域でリーダーシップをとるという責任の重さに耐えきれず、区長がいなくなって交代してしまう地域もあるそうです。そういう訳で、2年後に次期区長を引き継いでくれる後継者が現れないのではないかというお話でした。発災後、頻繁に区長が集まって会合を開いているそうですが、現在のところ、住民の要望をとりまとめ、区長会から行政に提案できるだけの意見集約やリーダーシップが取れていないそうです。
今回の災害で、動ける若年層は既に移住を決めて地域を離れ始めており、土地に愛着のある高齢者ばかりが残っていくことが心配されています。そんな状況の中、高木区長さんは地域のために自ら休まず毎日、作業に出ていること、ご自身も被災しているにも関わらず、自分の家は後回しにして他のお宅に優先的に作業ボランティアを配置している姿勢に大変驚かされました。初めてお会いした時も自転車で地域内を駆け回っている姿が印象的でした。