【新宿区多文化共生防災事業】グッドごはんとの新たなパートナーシップ
2020年から始まった新型コロナ感染症の状況下、生活困窮者支援として最も広がりを見せた活動はフードパントリーではないでしょうか?今から10年程前、ボランティアの間で始まった低額・無料で食事を提供する子ども食堂がコロナ禍によって中止またはお弁当配布に替わり、それと同時に食品の無料配布活動が加速度的に増加しました。そのうちの一つである認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンでは、2017年より子どもの貧困対策としてひとり親世帯への食品配布事業である「グッドごはん」を開始していましたが、長引くコロナ禍によって、利用希望者数が急増し、配布拠点の拡大を迫られることになりました。
時を同じくして、CWS Japanでは平時からできる教会施設を活用した地域社会貢献活動を考えていました。そこで、加盟する日本キリスト教協議会(NCC)が有するキリスト教会ネットワークを活かしたグッドごはん事業との連携協力を2021年12月から開始しました。現在のところ、都内2カ所(墨田区・本所緑星教会、新宿区・日本キリスト教会館)でそれぞれ月1回、約40世帯への食品配布に協力しています。利用者の多くは日本人家庭ですが、以前からCWS Japaneが支援していたミャンマー人シングルマザーも最近、近所に越してきたため、早速、利用登録を勧めました。それによって、定期的に彼女に会うことになり、彼女を支援する他団体と密に情報共有し、彼女を通して、より一層、地域レベルで複数の団体との連携協力関係が深まっています。
また配布拠点となった個教会についても、食品配布のために定期的に通うことで、今後より一層、連携協力関係を深めていきたいと考えています。まだ調査はしていませんが、全国的にこのような子ども食堂やフードパントリーを行う教会や教会関係者が増加傾向にあるように思います。
数年前、海外出張でカナダ合同教会を訪問した際に参加した路上生活者のための教会食堂がとても印象に残っています。牧師自らも教会の厨房に立ち、ケーキを焼き、調理や給仕を行うボランティアは教会員や地域住民でした。教会の大部屋が食堂と化し、利用者さんとも交流することができ、地域に開かれた素敵な地域社会貢献の空間となっていました。
現在混迷する日本社会で、食品配布やこども食堂は地域に立つ教会だからこそ果たすことができる、地域社会資源としての役割ではないかと思っています。是非とも多くの教会にこの輪に加わっていただきたく、そのためにCWS Japanができるお手伝いを続けていきたいと考えています。