09 8月, 2017
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【九州北部豪雨災害2017】活動ストーリー 1

【災害支援と教会】
「九州キリスト災害支援センター日田ベース ディレクター
日田福音キリスト教会 竹崎光則牧師」

2017年7月に発生した豪雨災害後開所された九キ災日田ベースのディレクター(統括責任者)を務めておられるのは地元日田市の教会の竹崎光則牧師です。竹崎先生は、ご自身の教会の仕事をしながらも朝倉市杷木の被災現場に通い、日々ボランティアスタッフとともに汗を流し、泥かき作業をされています。

兵庫県明石市出身の竹崎先生は、高知、山口、沖縄の教会赴任を経て、現在の日田福音キリスト教会に着任し、ちょうど10年目を迎えた今年、地元日田市が豪雨災害に遭いました。竹崎先生と災害との関わりは、20代の頃、自身の通学や生活の場であった神戸の街が破壊された阪神淡路大震災まで遡ります。そして2011年、東日本大震災が発生し、その翌年から牧師仲間と始めた被災地の子ども達にクリスマスプレゼントを届ける「サンタ・プロジェクト」がその後の熊本地震や今回の九州北部豪雨災害支援につながっていったそうです。

熊本地震発生後、九州の牧師仲間が九州キリスト災害支援センター(九キ災)を立ち上げることになり、竹崎先生は陰から仲間を支えました。その1年後に大分県と福岡県にまたがって豪雨災害が発生。実は同地域では5年前にも豪雨災害がありました。その時に支援活動が行えなかったという後悔もあり、竹崎先生は、地域に仕える教会として「今度こそ何かしたい!」という強い想いに駆られたそうです。自身で被災地のモニタリングを行っていた頃、久留米市の教会がベースを一度は立ち上げたものの、その役割を担い切れず断念するという結果に終わってしまい、竹崎先生に白羽の矢が立てられました。

最初は「ボランティアを教会に泊めるぐらいで良いか。」と軽い気持ちで引き受けたそうですが、九キ災のメンバーと実際の被害状況を目の当たりにして、日田にベースを立ち上げて被災地支援を行う必要性を感じました。そこで「物件を探そう!」という話になり、リフォーム会社を経営する教会員が所有する空き家がすんなり見つかり即決しました。「とにかくボランティアが活動し易い環境づくりをしよう!」「無理なことはしない。」また、九キ災熊本ベースから専任スタッフが派遣されてくるという話もあって、日田ベースの責任者を引き受けることに決めたそうです。最低1カ月、最長3か月と支援期間も決められ、クリスマスまでには役割を終えられるというタイミングの良さもありました。

その一方で、「教会員の反応はどうだったのか?」日田福音キリスト教会の方々にお話をうかがったところ、「教会のリーダーである先生がそう決めたのでしたら、私たちは賛成します。」だった。3分の1が65歳以上という教会の皆さんが支援現場に出かけて作業をすることは無理でも、物心両面からだったらボランティアを支えられると、代わる代わるボランティアに食事等の差し入れを提供して下さっています。竹崎先生曰く、「この活動が教会員の皆さんにとって地域奉仕への訓練になっている」のだそうです。将来的には、このような奉仕活動が地域の一人暮らしの高齢者への奉仕などにもつながることを期待されています。

最後にもう一つ。各地から九キ災を通してボランティアが日田市を訪れ、日曜日には同教会の礼拝に出席してくれるようになったことで、教会に新しい風を運び、活性化につながっているそうです。私自身も先日、礼拝に出席させていただきましたが、教会員の皆さんから大変な歓迎を受けました。「災害支援ボランティアが集まってくることで地元の教会が活性化する。」このような形で、被災者だけでなく、支援する側の関係者にとっても様々な素晴らしい相乗効果が現れています。